イスラエルが中東カタールの首都ドーハでイスラム組織ハマスの指導部を狙って攻撃した問題で、アラブやイスラム諸国が15日、ドーハで緊急の首脳会議を開いた。「(イスラエルとハマスの停戦交渉を仲介する)カタールの主権を侵害するだけでなく、国際的な調停と和平のプロセスを損なうものだ」とする共同声明を出し、カタールへの連帯を訴えた。
- 米国務長官、イスラエル「支持」表明 カタール空爆の不満、明言せず
会議にはアラブ連盟とイスラム協力機構(OIC)の加盟国・地域の首脳や閣僚らが出席。AFP通信によると約60カ国が集まった。一方、2020年のアブラハム合意でイスラエルとの国交を正常化したアラブ首長国連邦(UAE)やバーレーン、モロッコは首脳級の参加を見送ったという。
カタール元首「イスラエルの考えは危険な幻想」
カタールの衛星放送局アルジャジーラによると、カタールの元首、タミム首長は開会演説で「イスラエルは停戦交渉中の相手を暗殺しようとした。こんなことがあるだろうか。アラブ地域を影響力の下に置こうとするイスラエルの考えは、危険な幻想だ。我々は主権を守り、イスラエルの攻撃に立ち向かうためにあらゆる手を尽くす」と語った。
共同声明では、イスラエルのカタールへの攻撃を非難したうえで、パレスチナ自治区ガザなどでの戦闘についても「侵略行為だ」と批判。イスラエルに対する外交関係や経済関係を見直すよう各国に求めた。また、OIC加盟国・地域に対しては「イスラエルの国連加盟資格を停止するための取り組み」を調整するよう訴えた。